ベーシックインカム考 七方ふさがり一方あかり

ベーシックインカムという、まぶしすぎる“あかり”を、正面から見てみようではないか。

フリーライダーの問題

 今回は、よく話題に上る「フリーライダーについて少し考えてみたいと思います。

■フリーライダーとは?
 思うに、そもそもフリーライダーとは、「ある制度を利用する人は、その制度を支えるために必要な負担をしなければならないところ、負担をせずに利用だけしている人」のことを指すのだと思います。例えば、容器包装リサイクル法では、お菓子メーカーはお菓子の袋の使用量を申告して、その使用量に応じてリサイクル費用を支払うことになっています。それにも関わらず、容器包装を使用していることを申告せずに費用の支払いを免れているということです。もっと身近なところで言えば、NHKの受信料を払わずにNHKを見ている人です。

■ベーシックインカムにおけるフリーライダー
 一方、ベーシックインカムを受け取るということは、そのための負担をする=働いて税金をちゃんと払う、という前提があるわけです。そこで、ベーシックインカムにおけるフリーライダーとは、働くことなくベーシックインカムの給付を受ける人のことを指します。正確には、お金儲けをしていなくても、何らかの形で社会に貢献していれば、それは「働いている」とみなして、OK(フリーライダーではない)とされるでしょう。
 ここで問題とされるフリーライダーは、人の役に立つことを全くやっていない人です。

■現制度下に現存するフリーライダーの例
 ところが、今の制度下においても、既にフリーライダーが相当います。例えば、結婚せずに子供を育てない人です。いくら日本人が沢山の年金を支払っていても、個人の口座に預金していても、誰も子供を育てなくなれば、将来の日本を支えてくれる人がいなくなり、そんな金には意味がなくなります。ですから、年金を将来受給するためには、現時点で年金を払う(積立てる)ことに加えて、?子供を育てるか、?育てられなければ(意図的であろうとなかろうと)応分の負担をする、ということにしなければ不公平だと思います。

 子供手当てのようなものは、この不公平を是正する効果があるのだと思います。ベーシックインカムも子供1人に支払われる(養育費がかかるうちは親が代理受給)ので、子育て支援の側面もあります。

■つまり
 整理すると、
ベーシックインカム導入前=子育てしないフリーライダーがいる
ベーシックインカム導入後=全く働かないフリーライダーがいる(どうしても働けない人は除く)
 ということになります。

 このように天秤に掛けないと、ベーシックインカムに関するフリーライダーの議論は片手落ちになると思います。

 個人的には、働けるのに全く働かない人は本当に少ないと思います。定年退職された方ですら、第二の人生で何か人の役に立つことをしたいと考えているのですから。ずーっと生産的な活動を何もしないということは、人間の本性としてあり得ないのではないでしょうか。。そんな方が少々いたとしても、ベーシックインカム導入によるメリットの方がよほど高いと思います。

■アイデアの出所
 という上述のテーマは、実は以前ご紹介した本「ベーシック・インカム入門 (光文社新書)」から、触発されてのものです。よい本です。安いので、是非どうぞ。
ベーシック・インカム入門 (光文社新書)
山森亮
光文社

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MH

Author:MH
株式会社アミタ持続可能経済研究所という環境コンサルティング企業に勤務。特に廃棄物問題についてコンプライアンス、適正処理・管理についてセミナーやコンサルティングを行っている。既に議論de廃棄物というブログを運営している。
ベーシックインカムについては、「環境問題を解決するために重要なツールとなる」という考えから興味を持つことになり、別途このブログを持つこととなる。


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