ベーシックインカム考 七方ふさがり一方あかり

ベーシックインカムという、まぶしすぎる“あかり”を、正面から見てみようではないか。

給付つき税額控除

 給付つき税額控除というものをご存知でしょうか。税額控除(減税)をした場合、所得が低くて税金を納めていない方には何のメリットもないので、そのような方たちには給付金を出そう、ということです。

 今回の定額給付金と違うのは、給付付き税額控除は「継続して支給される」ということと、「給付額が所得によって異なる」、つまり収入に応じて額が変わり、一定以上の収入がある場合には給付はしないがその分減税される、といった点でしょうか。既に欧米では行われている制度のようです。

 しかも、民主党のマニフェストに入っていたり、これを推奨する議員の方も思ったより多くいるようです。例えばこの方この方
*民主党マニフェストより*****
格差是正のために、所得控除を整理し、給付・税額控除を組み合わせた制度の導入を図ります。
消費税の逆進性対策についても、「戻し税」という形であわせて行います。
*****************
消費税の逆進性の対策にもなる、ということですので興味深いところです。

 また、これについては、既に書籍があります。
給付つき税額控除―日本型児童税額控除の提言
森信 茂樹
中央経済社

このアイテムの詳細を見る


 この給付つき税額控除は、ベーシックインカムと近い政策だと思います。主な違いは、給付対象が絞られているか、収入によって給付額が異なるか、あとはそもそも最低限の生活を保障しているかどうか、あたりでしょう。まずはこの政策から導入し、ベーシックインカムに移行するというシナリオもアリかもしれませんね。

ベーシックインカムの新書が出ました

 今年はベーシックインカムが絶対に注目されると年初に書きましたが、とうとう新書が出ました。こんなに早く新書になるとは、やはりこのご時勢、出版社としても受けるだろうとの判断があったのでしょう。

 まだ読んでいる途中ですが、幅広いベーシックインカムの議論が、例を交えながら要領よく説明されています。この先生が書いていますが、とてもよくまとまっています。
840円という価格も魅力ですね。
ベーシック・インカム入門 (光文社新書)
山森亮
光文社

このアイテムの詳細を見る


 一方、この本は少し前に出ています。2100円とちょっと高いですが、対談式になっており、ベーシックインカムの話を誰かとするときに、どのように話を展開していったらいいのかなど、イメージが湧きます。
ベーシック・インカム―基本所得のある社会へ
ゲッツ・W. ヴェルナー,小沢 修司
現代書館

このアイテムの詳細を見る


 他にも、新党日本がベーシックインカムをかなり大々的に取上げています。そしてなんと、田中康夫がYouTubeで語っています。それにしても、政党がこの政策を掲げているというのは大きいですね。小政党だからできることなのでしょうけど。楽しみです。

 今年の末にはきっと、この大不況を背景にベーシックインカムの社会的認知度はかなり上がっていることでしょう。

社会を活性化させるベーシックインカム

■路頭に迷うよりマシ
 日経ビジネス2009年3月2日号で、建設焦土という特集が組まれています。談合がなくなり、公共事業が削減され、大不況に見舞われるなど悪条件が重なり、建設産業が悲鳴を上げているとのことです。
 そのしわ寄せは特に下請けに来ているということです。ひどい条件であっても仕事がなくて路頭に迷うよりはマシ、ということで限界まで我慢して、従業員の生活の質が下がることも余儀なくされます。生活の質が落ちるということは、家族、家庭教育、地域社会、ひいては社会全体が徐々に蝕まれていくことを意味すると思います。

 ポイントは「路頭に迷うよりマシ」というところです。だから皆そろって守りに入り、我慢比べをしてしまうのです。その結果、本当にどうしようもなくなるまで構造改革のプレッシャーが高まることになるのです。近い将来、突然の大崩壊ではなく無理のない変革が訪れるのであればよいのですが。。。

■社会を活性化させるベーシックインカム
 望ましい姿としては、無理に我慢などをせずに廃業したり新規事業に乗り出すことで、社会の新陳代謝、柔軟性、活力を高めることだと思います。もちろん我慢することで将来が開けることを否定するものではありませんが、先が見えないのであれば躊躇なくやり方を変えるべきでしょう。
 そして、転職、廃業、新規事業の立ち上げをしやすくするためにも、最低限の生活保障が重要です。ベーシックインカムはこのためのひとつの有望な政策だと思います。いつかは給付が終わる失業保険、貯金ゼロにならないと受けられない生活保護、こんなセーフティネットでは守りの人生にならざるを得ません。

 「ベーシックインカムはスムーズな構造改革と社会の活性化のための政策」と言えるのではないでしょうか。皆さん、いかが思われますか?

 | HOME | 

最近のエントリー


最近のコメント


最近のトラックバック


カレンダー

02 | 2009/03 | 04
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

月別アーカイブ


カテゴリー


リンク


プロフィール

MH

Author:MH
株式会社アミタ持続可能経済研究所という環境コンサルティング企業に勤務。特に廃棄物問題についてコンプライアンス、適正処理・管理についてセミナーやコンサルティングを行っている。既に議論de廃棄物というブログを運営している。
ベーシックインカムについては、「環境問題を解決するために重要なツールとなる」という考えから興味を持つことになり、別途このブログを持つこととなる。


検索フォーム


お小遣い稼ぎ!
スマホでお小遣い稼ぎ!
DTIブログポータルへ
このブログを通報
Report Abuse

利用規約