ベーシックインカム考 七方ふさがり一方あかり

ベーシックインカムという、まぶしすぎる“あかり”を、正面から見てみようではないか。

環境問題より生活支援が先か?

 昨日ある会社での環境リスクセミナーで、役員の方がご挨拶で「少し前までは新聞で環境問題を取上げることが多かったが、最近は経済の話が多くなってしまっている」というお話をされていました。「だからと言って環境問題が解決したわけではない・・・」ということだったのですが、実は私は今の状況は悪くないと思っています。

 私は、すべての人々が環境問題に取り組む大前提として、「とりあえず安心して生活できる」という状態を作らなければならないと考えています。世間ではこれまでもワーキングプア等の問題が取上げられてきましたが、最近はさらに苦境に陥っている方たちへの支援の必要性が叫ばれています。定額給付金の話はその好例です(今は経済対策の色合いが強いですが)。
 この問題にだましだまし対症療法を続けるより、しっかり考え抜いた上で抜本的な対策を進める必要があると思います。ベーシックインカムに一足飛びに行くことはないでしょうが。

 それと、経済状況が悪いということは、環境負荷もどちらかというと下がるわけです。2007年〜2009年の世界の温室効果ガス排出量の変化も見てみたいところです。

元厚生労働省事務次官の連続殺傷事件

テロリズムとは、日本国内法では「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で多数の人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊する行為」(自衛隊法81条の2第1項)などの定義があるそうです。何らかの主義主張のために行われるものだそうです。

私はこの定義を、今回の元厚生事務次官への連続殺傷事件を受けて初めて調べたのですが、皆さんご存知でしたか?

思うに、今回の事件はたいした主張があるわけではない、つまりテロなんかではないような気がします。厚生労働行政、特に社会保障周りに対する不満を持っていた人の犯行か、秋葉原の事件と同じような動機(これも社会に対する不満ですが)を持つ人が、その対象を社会の批判の矛先に向けただけなのではないかと思います。

言うまでもないかもしれませんが、社会保障制度に関する不満は、日本社会の行政に対する不満の代表格と言ってもいいでしょう。これだけやり玉にあがっているものに、今後どのような改革がもたらされるのか。政治の表舞台でも負の所得税の議論が出てきていますが、ベーシックインカムの論議を盛り上げていくよい機会だと思います。これからも継続的に取上げていきたいと思います。

定額給付金の給付方法

■ベーシックインカムのイメージに悪影響??
 定額給付金のについては、所得上限の話が出たり、給付にかかる手間とコストと時間の問題があったり、効果に疑問の声が出ていたり、路上生活者には行き渡らない問題があったり、やたらもめています。スポット的なベーシックインカムといえなくもないため、ここでもめてしまうとベーシックインカムへのイメージが悪くなる恐れがあるので、心配ではあります。

■本当は・・・
 当然ですが、あんなに性急に、それも一回きりの仮ごしらえの給付方法であれば、行政コストがかかるのは当然です。ベーシックインカムは、おそらくは毎月給付されるもので、ちゃんとした仕組みを一度作ってしまえば後はかえって楽になるはずです。このことは、冷静に議論すれば明確なはずです。

■もっと冷静な議論ができれば大丈夫
 とはいえ、ベーシックインカム導入論議の中では、ここが焦点になることは少ないでしょうね。例えばもっと重要な「みんな働かなくなるんじゃないか」みたいな論点が先に問題になるはずで、ここがクリアできるくらい冷静な議論ができるのであれば、給付方法について変な誤解が生じてオジャンになることはないでしょう。まずはそんな冷静な政策論議ができるようにならなければなりませんね。

長時間労働を犯罪に

■家族崩壊の原因は働き方が原因
 「家族崩壊」を特集のテーマとした週刊東洋経済の2008年10月25日特大号を読みました。サブタイトルは「考え直しませんか?ニッポンの働き方」です。働き方が家族崩壊を招いているということです。

■長時間労働が引き起こす問題は多い
 読んでない方も、上記リンクページの目次からある程度内容は分かると思いますのでご覧ください。記事を読んでいただくと「長時間労働、少子化、非正規雇用、貧困、介護・・・問題はすべてつながっている」と銘打った図解ページ(40ページ)があります。他につながっている事柄として、過労死、自殺、ワーキングプア、高齢者単独世帯の増加なども挙げられています。

 この記事では、環境問題には触れられていません。しかし、上記のような社会には、LOHASだとか、少々高くても環境によい製品を買うとか、ゴミの分別を徹底するとか、地域ボランティアに取組むとか、そんな余裕はないはずです。つまり、長時間労働は、結果的に環境問題への取組みを阻害しているのだと思います。

■長時間労働を犯罪に
 長時間労働(サービス残業)とは、実は労働というサービスのダンピング販売なんだと思います。ダンピングとは、比較的余裕がある側が大安売り(短期的には赤字)をして、余裕がない側をつぶし、結果として市場を独占する(社会的な悪)というカラクリです。一方、長時間労働というダンピングも、結果として既述のような問題を引き起こしているのです。であれば、長時間労働(サービス残業)は社会的な悪であるため犯罪として規制する、という考え方もアリだと思います。規制の対象は雇用主ではなく、労働者にしてもよいでしょう。
 どうも、長時間労働している人は、良いことをやっていると思っているようです。会社は喜ぶかもしれませんが、会社以外のすべての場所で悪影響を引き起こしていることを自覚して欲しいものです。そのためにも、長時間労働をしている張本人に「これは犯罪なのだ」としてブレーキをかけることはできないでしょうか。

■ベーシックインカムは
 ベーシックインカムは長時間労働と、長時間労働が引き起こす問題を緩和してくれると思います。ただ、完全に解決はできないような気がします。ベーシックインカムは徐々に体質改善をする漢方薬みたいなものです。一方の長時間労働の犯罪化は、さしずめ抗生物質の投与にあたりそうです。強烈ですが、抜け道(耐性菌)が見つかりそうですから。。。

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MH

Author:MH
株式会社アミタ持続可能経済研究所という環境コンサルティング企業に勤務。特に廃棄物問題についてコンプライアンス、適正処理・管理についてセミナーやコンサルティングを行っている。既に議論de廃棄物というブログを運営している。
ベーシックインカムについては、「環境問題を解決するために重要なツールとなる」という考えから興味を持つことになり、別途このブログを持つこととなる。


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