ベーシックインカム考 七方ふさがり一方あかり

ベーシックインカムという、まぶしすぎる“あかり”を、正面から見てみようではないか。

世帯数を減らして温暖化を防止

 家庭でのエネルギー消費の増加の一因として、世帯数の増加が挙げられます。人口は増えていませんが、一人暮らしや二人暮らしが増えたために世帯数が増えたのです。

*以下、「20年度版 環境/循環型社会白書」より抜粋**
我が国の家庭用エネルギー消費は、家庭でのエネルギー利用による様々な利便性や快適性の向上に起因する[1]世帯当たりのエネルギー需要の増加(家庭用エネルギー消費原単位の増加)と、[2]世帯数の増加により大幅に増えてきたといえます。
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 ベーシックインカムを個人に支払うのであれば(というのが一般的なアイデアのようです)、大家族のほうが世帯収入は多くなります。ですから、ベーシックインカムは大家族化を促進する=世帯数が減少することになります。でも、今日においても大家族のほうが経済的には有利なはずですから、状況は変わらないかもしれません。
 一方、ベーシックインカムを導入することで、夫や親の収入に頼っているため独立(離婚?)できないという事情を緩和することができます。つまり、ベーシックインカムは個人の独立を促すので、世帯数が増えるという現象も引き起こすはずです。

 さて、どちらの影響が大きく働くのでしょうか。私は、「今の仕事にしがみつくために、住むところを変えにくい」という人は実はかなり多いと思います。ベーシックインカムによって、転職リスクが低くなりますし、賃労働よりほかの事(家族の問題など)を優先しやすくなりますので、住みかの変更は容易になると思います。ですから、どちらかというと大家族化が促進されると思っていますが、いかがでしょうか。。。。

管理が簡単なベーシックインカム

 年金特別便、皆さんのお手元に届いたでしょうか。これを印刷、発送するだけでも膨大なコストですが、修正や問い合わせ対応でさらに手間がかかります。
 ちなみに、私と私の同期入社の同僚の記録とでは、微妙に表記が異なっています。私のには旧社名のスミエイトが記載されており、同僚のものには新社名のアミタしか書かれていません。謎です。

 さて、ベーシックインカムにすると、、、

・年金のように加入記録を40年以上にわたって管理し、それを踏まえて年金給付額を計算する必要はありません。記録が違う、違わないの水掛け論で社会保険事務所でもめる事もなくなるでしょう。
・失業保険では、勤続年数や給与水準を踏まえて給付水準を計算することはありません。
・生活保護では、身辺調査を行う必要はありません。

 なぜなら、上記制度はベーシックインカムに統合され、相手が誰であろうと一律で給付されるからです。管理がとっても簡単になります。面倒で間違いやすい仕事はなくしたほうがいいのです。

 逆に言うと、行政コストが下がります。社会保険庁(日本年金機構とやらになるようですが)の仕事がなくなります。

 もちろん、会社が総務あたりでやっている社会保障関連業務が減ります。

 みんな、仕事が減って楽になります。

 え?仕事が減ると困る人がいる?いや、それは、社会の生産性、効率が上がっているということで、喜ばしいことのはずです。
 仕事が減っても、これまでと同等のサービスが提供されるのですから、社会全体としても問題なしのはずです。特定の方の仕事が減ることもあるでしょうから、その方のためにも、ベーシックインカムを導入するのです。
 そうして仕事が減ったら、そのエネルギーを人類の文化の向上に役立てればいいのです。

 さぁ、ベーシックインカムを導入して、あまったエネルギーをもっと重要なこと(沢山あるはずです)に振り向けましょう。

財源の問題

 ベーシックインカムの話をすると、必ずと言っていいほど財源の話題が出てきます。しかし、財源というのは何かを購入する場合に必要になるのです。例えば、アメリカから戦闘機を買うとか、道路を作るとか、ODAをするとかの場合です。
 ところが、ベーシックインカムを実施するということは、国民全体の所得を再配分するということになるので、国民全体の所得に変動はない=基本的には財源は問題になりません。つまり(誤解を恐れずに単純化して言えば)、高収入の方のお金を、低収入の方に分けるだけのことです。

五人国家のベーシックインカム」ということで、試算されているページがあります。これを読んでいただくと私の言いたいことの意味がよくお分かりいただけるでしょう。

 例えば財源を消費税に求めた場合、収入が低い方は消費税を負担するより多くのベーシックインカムを得ることができるのです。今の消費税の議論は、モノによって税率を変えるなどして低所得者層への配慮をしようとしていますが、どちらにしても逆進性がある(低所得者にとっては増税、高所得者にとっては減税)のではないでしょうか。
 これを防ぐためには、少なくとも低所得者には、払う額と同額の所得保障が必要です。この場合、ワーキングプアを無視して生活保護世帯だけを対象にしてはなりません。で、少しずつ消費税額を上げていき、所得保障の額と対象範囲を広げていきます。そうすれば、あら不思議ベーシックインカムの出来上がり、にならないでしょうか。

景気後退入り

 月例経済報告で「景気後退入り」とされたことが話題となっています。生産や設備投資のかげり、消費の落ち込み、資源価格の高騰などなどの説明を聞かれたことと思います。

 我々の生活は、景気が悪いと苦しくなるということのようです。だから、いつでも景気が良くなければならないのです。そのためには、前年度比でより大量に生産、大量に消費、そして安い資源をバンバン使わなければならないのです。これは安定した生活を送るためには必要なことなのです。

 しかし、大量生産、大量消費、大量廃棄のあり方に問題があるということも、みんなの共通認識です。どっちを選ぶのでしょうか。選択の余地はないはずです。人類が生き延びるためには今のやり方を変える必要があります。そのためにも、生産・消費量の減少が生活に大きな影響を及ぼすようでは困ります。この2つはある程度切り離されなければなりません。

 ベーシックインカムはこの問題を解決もしくは緩和するような気がします。失業してもとりあえず暮らせるという直接的効果と、長期的にはライフスタイルの転換を促すのではないかと思うからです。
 また、地域通貨はこの問題を根本解決しようとするものですが、説明すると長くなるので、この話は今日は省略。

■考え方が矛盾していると思います
 ニュースキャスターが、景気の話になると「(生産量拡大のために)景気刺激策を取って欲しい」とコメントし、環境問題となると「大量生産、大量消費のあり方を変えなければなりません」とコメントすることがあります。矛盾していることに気付かないのでしょうね。ニュースキャスターにそこまで期待するのは酷ですが、国の政策まで矛盾してもらっては困ります。環境省と経済産業省が綱引きをするのではなく、政治がリーダーシップを取って、全体の方向付けをして欲しいものです。

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MH

Author:MH
株式会社アミタ持続可能経済研究所という環境コンサルティング企業に勤務。特に廃棄物問題についてコンプライアンス、適正処理・管理についてセミナーやコンサルティングを行っている。既に議論de廃棄物というブログを運営している。
ベーシックインカムについては、「環境問題を解決するために重要なツールとなる」という考えから興味を持つことになり、別途このブログを持つこととなる。


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